ウェルニャンレポート
【体験レポ】吹きガラス体験@主基グラススタジオ
【体験名】吹きガラス体験(主基(すき)グラススタジオ)
真っ赤に溶けたガラスを長いパイプの先端に取り、息を吹き入れて膨らます作業から、グラスや花瓶、小鉢など好きな形の器を作る体験。多様な作品例を参考に、50種もの色ガラスや好きな模様を組み合わせてデザインを考え、自分好みに仕上げることができる。
■創作作家さんが多い、鴨川
僕調べではあるけど、他の土地にくらべて作家さんが多い印象の鴨川。海と里山と人と…すべてにおおらかな包容力を感じる土地であるのは確か。それに加えて、空き家への移住促進などの施策で鴨川を選ぶ人も多いみたい。人の流れは、文化も育むんだなあって感じる。
今日は25年前に鴨川に移住されたガラス作家の鈴木洋史(ようじ)先生が開いたスタジオにお邪魔したよ。
■ガラス作品がいっぱい!きれいだにゃ~
スタジオは小高い場所にあり、かわいくて落ち着く雰囲気。
スタジオに入ると、たくさんのガラス作品がお出迎え。早速、目移りしちゃう。
この中から、自分が作りたいイメージを探して、先生に伝えるんだ。すてきなモチーフがいっぱいあるから、どれにしたらいいか分からなくなるよ!
模様も色も多種多様。「この形の器に、この色で、この模様をつけて…」と自分の好きに決められるよ。
■創作スタート!
真っ赤なガラスは、窯から取り出したらすぐに冷えて固まっていく。焦らないように練習してから、本番スタート!
長いパイプ(吹き竿)に息を吹き込んで、溶けたガラスを膨らませていく。かなりの肺活量が必要だ!力を込めるせいか、ガラスの熱のせいか、焦ってドキドキするせいか、全身に汗がにじむ。
最初はちょっとかための水あめくらいかな?じっとしていると重力に引っ張られて形がゆがんでいく。丸い形をキープするために、常にパイプを回転させるんだ。これが結構焦るよ!そして、パイプをくるくる回すから、手も疲れてくる!
■ガラス工芸はスポーツにゃ!!
作業をしている間に、ガラスが冷えて固まっていく。だから余計に焦る。
色んなところに注意を向けないといけないから、心と身体はフル回転!先生は「ガラス工芸は運動みたいなもの」って言ってたけど、その通り。始まったら、あらかじめ考えておいた作業を、運動神経と反射神経で進めていく。じっくり考えている暇はない。
■だんだん形ができていくにゃ
作っているのはコップ。ちょっと難しいかなって思ったけど、せっかくだから、色んな装飾に挑戦してみた。ぐるぐるとガラスのヒモを巻き付けたり、持ちやすいようにへこみをつけたり。色は下にカラフルなビーズで水玉模様、上は透明な黄色をつけた。
一緒に行ったゆりちゃんの作業はこんな感じ。僕がしなかった、型に入れたりする工程もあった。どんな作品になるのか、楽しみだな!
■形ができたら、作業終了にゃ
ふたりとも、コップを制作。形ができあがったら、バーナーで底を滑らかにして、素早く扉のついた窯にしまう。ここで一晩かけてゆっくり温度を下げるんだって。そうしないとガラスが割れてしまうんだ。完成は翌日以降のお楽しみだよ!
■作品とのご対面にゃ~
作品は送ってもらうこともできるけど(別途有料)、僕たちは取りに行った(翌日に入手可能)。力作とのご対面は感動~!かわいい!!って、お互いをほめ合っちゃった。それくらい満足に仕上がったよ!
作品には好きな文字を彫ってもらえるんだけど、取りに行けば、それも自分ですることができるんだ。底に日付と名前を彫ったよ。ちょっと曲がってしまったけど、それも味!だよね!?
■主基(すき)グラススタジオの鈴木先生
先生は以前、日本で初めてできたガラス工芸施設にいらして、そこでも多くの人に体験を指導してきたんだって。だから、僕みたいに不器用な猫にも教えるのが上手なんだな!先生ご自身も、この鴨川の自然に魅せられて、房総の四季をモチーフに作品作りをされている。色んな質問にも気さくに答えてくださった。
■体験を終えて
ガラスを膨らませたり、色のビーズを混ぜたり、模様をつけたり。色んな作業があったけど、その都度、先生がつきっきりで指導をしてくれる。ガラスが真っ赤で熱いから、ちょっと恐々としながらも、楽しく作業ができた。そして、何といっても、ガラスは美しい。それを自分のセンスで作り上げることができて、満足!作品のバリエーションは無限だから、何度でも訪れたくなる。誰かにプレゼントする作品にしてもいいね。
スタジオの白いテーブルの上で、作った作品を撮影させてもらった。太陽の光を浴びると、キラキラしてきれいだな!
■注意した方がよいこと
工房内は暑くなることがある。(僕が体験した日は、梅雨の涼しい日で、ちょっと汗ばんだけど過ごしやすかった)。今は新型コロナウイルス対策のため、スタジオでは冷たい飲み物サービスを控えているそう。体験は1時間程度だけど、汗をかくこともあるから飲み物を持参するといいよ!
■おまけ
ガラスの材料が入った真っ赤な「炉」。これは一度火をつけると夜も止められないんだ。昨年の2019年、鴨川は房総半島台風のせいで何日にもわたって停電をしたんだけど、その時にはスタジオでは屋根が吹き飛び、炉の火も止まってしまった。すると、真っ赤なガラスの液体が入っている「るつぼ」と呼ばれる器が割れ、ガラスの材料も固まって使いものにならなくなり、大変だったそうだ。その時にダメになってしまった「るつぼ」とガラスの塊を見せてもらったよ。こうなると、炉の修理と中身を全部取り替える作業で長い期間、動かせなくなってしまうんだって。ガラス工芸体験をできるのって、貴重なことなんだな!
【体験前後の変化】
ストレスチェック
ウェルニャン5⇒4/ゆりちゃん36⇒19
【体験概要】
取材日 2020年7月17日(金)
主基(すき)グラススタジオ/吹きガラス体験
1人 4,125円(税込)/所要時間 1時間
※記事の内容は取材日の体験に基づくものであり、今後、内容変更等の可能性があることをご承知おきください。
※体験の申し込みや問い合わせは、施設のウェブサイト(下記リンク)より、施設へ直接ご連絡お願いします。